岐阜大学応用生物科学部の中川寅教授、橋本美涼助教(以上、生物化学研究室)、千葉大学大学院医学研究院の粕谷善俊准教授、筑波大学生存ダイナミクス研究センターの深水昭吉教授らのグループは、タンパク質のアルギニンメチル化修飾が脳の大元である神経幹細胞の増殖や生存に必須であることを明らかにしました。
【本研究のポイント】
- アルギニンメチル化を触媒する主要酵素であるPRMT1(ピーアールエムティー1)の遺伝子を欠損した神経幹細胞(脳の大元の細胞)は、増殖能が著しく低下し、細胞死が強く誘導されていました。
- このことから、PRMT1によるアルギニンメチル化修飾(=遺伝子発現や多様な細胞機能に関わる化学修飾)が神経幹細胞の増殖や生存に必須であることを解明しました。
- 神経幹細胞は、脊髄損傷や脳梗塞に対する細胞移植治療としての応用が期待されています。本研究から、アルギニンメチル化が神経幹細胞の維持に重要な翻訳後修飾の一つであることを発見しました。
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