水中で化学反応を加速させる新しい固体触媒の開発~触媒反応空間の「リフトアップ」過程を放射光で直接観測!~

2022.04.05

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千葉大学 大学院工学研究院 原 孝佳 准教授、一國 伸之 教授、島津 省吾 名誉教授、広島大学 大学院先進理工系科学研究科 森吉 千佳子 教授、島根大学 総合理工学部 笹井 亮 教授、藤村 卓也 助教、高輝度光科学研究センター 河口 彰吾 主幹研究員らの研究グループは、陰イオン交換能を有する層状希土類水酸化物の機能を駆使し、水溶媒中で固体ブレンステッド塩基触媒として応用することに成功しました。
研究グループは化学反応が水中で加速される要因が、触媒の周囲に多量に存在する水分子が層間内の陰イオンと複合体を形成し、ナノサイズの反応空間を特異的に「リフトアップ(拡張)」することであることを世界で初めて突き止めました。さらに、放射光X線を用いてその過程を直接観測しました。
希土類元素を含む酸化物あるいは水酸化物は、蛍光・リン光材料に応用され、MRI造影剤やドラッグデリバリー試剤としての応用も検討されている高機能材料として知られています。
本触媒は、水溶媒中での有機合成反応を効率的に行うことができるため、SDGsの目標7(エネルギー)、9(イノベーション)および12(持続可能な生産)に掲げられている目標を実現させる機能性材料といえます。
本研究成果は、2022年4⽉4⽇に英国化学会が出版するCatalysis Science & Technology誌に掲載され、表紙を飾るカバーアートに選出されました。

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