理化学研究所(理研)環境資源科学研究センター統合メタボロミクス研究グループのアミット・ライ研究員、斉藤和季グループディレクター、かずさDNA研究所の平川英樹主任研究員、千葉大学大学院薬学研究院の山崎真巳教授、大阪大学大学院工学研究科の村中俊哉教授、国立遺伝学研究所の豊田敦特任教授らの共同研究グループは、漢方薬や天然甘味料の原料として使われる重要生薬の甘草(カンゾウ)の染色体スケールの高品質ゲノム配列を解読しました。
本研究成果は、今後、バイオテクノロジーを用いた甘草の品種改良や薬効成分の生産向上に役立つと期待できます。
甘草は、さまざまな漢方薬に最も頻繁に配合されるマメ科植物を基原とする生薬です。甘草には、抗炎症作用や痛み、咳を鎮める効果をはじめ、多数の薬効があります。また、根に含まれる主要成分のグリチルリチンは医薬品、天然甘味料などの原料として世界的に需要が高まっています。質の高い甘草のゲノム配列を解読できれば、ゲノム情報に基づいた効率的な育種などが可能になると期待されていました。
今回、共同研究グループは最先端のシーケンス技術を駆使して、ウラル甘草の染色体スケールの高品質ゲノム解読に成功しました。そして、グリチルリチンなどの生合成に関わる重要な遺伝子が染色体の狭い領域に局在することを確認しました。
本研究は、科学雑誌『DNA Research』のオンライン版(12月20日付)に掲載されました。
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